どのくらい?

「長時間露光」

と一口にいっても、1/2秒~1分、ときには5分、10分とその幅は大きい。

はたしてどのくらいの長時間露光が適切なのか? まあいってしまえば

それは「己がどのような画が欲しいのか?」 に尽きると思う。

またその時々の天候、気温等にもよっても適切な露光時間というのは変化してくる。

このケースでは何秒、何分!の露光が絶対に良い!という明確な決まりはないが、これまでの私の経験、好みによって “適切な長時間露光”というのがあるにはある。では早速考察してみよう。

[滝, 水流] 露光時間0.1秒~30秒~1分

私は渓流撮りが好きだ。NDフィルターで初めて滝を撮ってからというもの、ただの水の流れが絹のように変化する瞬間に魅了され続けている。

これまで渓流において様々な長さの露光を行った。私としては渓流や滝では長くても1分間の露光で充分という結論に達した。それでも1分間の露光をすることは稀で、シルキーな水流の表現を得たい場合は大抵10秒以内の露光に設定している。

SACRED FALL
新緑の綺麗な季節、御船の滝での一枚。露光時間は4秒。水しぶきが結構飛んでくる場所での撮影だったので、なるべく露光時間は短くしたかったからだ。

D800E,16-35 f4G ED VR(16mm),ƒ/13, 4s, ISO 100
Filters: PRO1D-ND16, C-PL

[DEEP GREEN]

箕面渓谷での一枚。新緑の水面への映りこみが大変綺麗だった。このときは必要十分にスムーズな水面を得るために1分近い露光をした。水流が白とびするギリギリの露光だが、その甲斐あって新緑の水面の映り込みの美しさを最大限に高めることが出来た。

NIKON D800E,70-200 vr2(70mm) ,f11,55s,ISO 100
Filters:C-PL, ND400

Deep Green by Yoshihiko Wada on 500px.com
DEEP GREEN

 Autumn Whim

秋の赤目渓谷。所謂「ぐるぐる」写真。秋の渓流でたまに見ることができる光景だ。

D800E,PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED,24mm,ƒ/8,30s,ISO 100

露光時間による渦巻の変化の様子:

左から1/2秒,8秒,30秒

こういうケースで渦巻き状の描写をしたければ30秒を目安に設定すると良い。渦の動きが非常に遅くて渦巻きが足りないと感じたら1分ぐらいにしても良いが絞りすぎると画質低下の原因の回析がおこるので注意。

 

[日中の長時間露光] 露光時間:60秒~3分~10分

日中の長時間露光で大切なのは、「その長時間露光で何を得たいのか?」を念頭において撮影に取り組むことだ。

60 秒:

Souls of the Castle

こちらは私の日中の長時間露光に取り組み始めた初期の作品。

当時持っていた一番の高濃度のフィルターがND400(約9段)。それにND16(4段)を重ねてND13相当として使用した。しかし9月の一番日差しの強い時間帯ということで、それだけではまだ不十分。F16まで絞って65秒の露出を稼いだ。 雲の流れるスピードにもよるが一般的に1分程度の露光では”とろける”ような雲の表情を得るのは困難だ。その反面、雲が思わぬ造形を描いてくれ、独特な表情を醸し出すことがある。

撮影日:2013/09/06 12:43 大阪城公園:
D7000, 10-24mm (18mm)
ƒ/16,65 sec,ISO 100ND400+ND16

こちらも比較的初期の作品。 120秒。

“PARC55”はサンフランシスコ旅行中に泊まっていたホテルの名前(左のビル)。下半分に雲がほとんどないので、バランス的にどうかな?と思ったりもするのだが、そのアンバランス差加減もこの一枚の魅力の一つかなと良い方向に考えている。(笑)

D7000,10-24,10mm,ƒ/13,120s,ISO 100
PARC 55 by Yoshihiko Wada on 500px.com
PARC 55

 

DARK EDGE

茨城県水戸芸術館にある水戸タワー。120秒の露光により背景の雲が右下から左上に向かって流れている。

D7000,NIKKOR 10-24mm(10mm),ƒ/13,141s,ISO 100

 

ワンポイントアドバイス

ここで注目してもらいたいのは、被写体のタワーと、流れる雲が対角に交わる構図を取っているところだ。被写体だけでなく、背景の空と雲に注目して、長時間露光後に流れる雲の方向と被写体がどういう関係を描くのかを予想して構図を考えよう。

Wada_Dark_Edge_memo

 

5 minutes (300seconds)

B&Wファインアート写真界のパイオニアJoel Tjintjelaar(ジョエル・チンジェラー)が提唱した「F8, 5分」の超長時間露光(ハイパーロングエクスポージャー)。現在のファインアート系長時間露光、特に都市景観、建築系のスタンダードになったといえるだろう。

日中でF8, 300秒という長秒を得るには16stopsの減光が必要である。

これまでは16stops の減光を得るには、複数のNDフィルターを重ねて使うのが一般的だった。

しかし今から二年ほど前にFormatt-HitechFirecrest 16という一枚で16stopsの減光、しかも極めてニュートラル性能が高く5分という長時間露光をしても、ほとんど色かぶりをしないという驚異的なフィルターを発発表した。もうフィルターを重ねる必要がないので、超広角レンズ上でけられることもなく、より手軽に超長時間露光が行えるようになった。

THE MOMENT OF GREY

D600,16-35mm f/4G ED VR, 16mmƒ/10, 336s,ISO 100,  Firecrest 16
The moment of grey by Yoshihiko Wada on 500px.com
THE MOMENT OF GREY

良く見てもらうと判るのだが、写真中央にカモメが映っている。撮影の途中で飛んできて、かなりの長い時間ずっとしていてくれた。そのおかげで336秒の長時間露光でもかなりはっきり姿が映っている。もちろん狙ったわけではないが、この鳥がいるおかげで写真にアクセントが生まれた。

ワンポイントアドバイス

APP

長時間露光で最初のハードルは、どのぐらいの長さが適切かの計算ではないだろうか。

10stops,もしくは16stopsとなると、カメラの内臓露出計はまったくあてにならない。

慣れてしまえばその計算も難しくないのだが、APPを使えばそんな問題も一気に問題解決だ。

それこそたくさんのAPPがあるので何を使ってもよいのだが、筆者愛用のExposure Calculator を紹介。

画像はF8, 1/250でND16を使用した場合。Shutter:262s と出ている。

シーンによっては、もう少し絞りたい場合、もしくはISOを調整したい場合もあるだろう。

 

しかしながら3分を超える際は計算結果より20~30秒プラスすると、より良い結果が出る。

Screenshot_2016-08-02-12-37-38
Exposure Calculator

10 minutes (600 seconds)

時には5分以上の長時間露光が必要なケースもある。

私もこれまで10分という長時間露光を何回かやっている。次はそのうちの一枚。大抵のケースで5分でOKだが、天候や使用レンズ、意図する構図によってはそれ以上の長さの長時間露光をするケースも出てくる。

特に超広角レンズを使う場合、画面の端から端まで途切れることのない雲の動きを撮りたい場合、露光時間は長くなりがちである。

D800E,14-24,14mm,ƒ/8,601s,ISO 100

The Land of Redemption by Yoshihiko Wada on 500px.com
THE LAND OF REDEMPTION

 

Calculated Chaos Part4: Singularity
D600,14-24,14mm,ƒ/10,603s,ISO 100

CC4_Singularity
Calculated Chaos Part4: Singularity

あきらめない

時に天候は思い通りにいかない(事の方が多い)。この写真を撮ったときも5分の長時間露光を6回、最後の7回目は10分やって、ようやく満足のいく結果を

得ることができた。ときには日を改める決断をすることも必要だが、まずは可能な限り粘ってみる。何事もあきらめないことが肝心だ。

 

ワンポイントアドバイス:方向と速さ

構図を決めるときは雲の動きを見極めよう。

・雲の動き(方向)。どこかららどこに移動しているのか。

・雲のスピード:速いのか遅いのか?→遅ければ露光時間をいつもより長くするなどの対応が必要。

 

実験と失敗が経験の元

私も日中の長時間露光を撮影しだした当初はたくさんの失敗をした。露光時間が短すぎたり、長すぎたりは当たり前、時にはNDフィルター付け忘れることも。一度付けたNDフィルターを外して構図の確認した後、その後フィルター付け忘れて5分露光したこともある。当然画像は真っ白!
今でも、なかなか一発でイメージ通りの撮影ができることは難しい。数々の実験や違う構図を試しつつ同じ撮影場所で3-4時間過ごすことはざらだ。しかし、当たり前のことだが実際の撮影の経験を積まないかぎり良い写真は撮れない。失敗は成功の元。そして失敗写真はブログのネタ元になるのであった・・。 ではまた!

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“映り込み“は都市景観を専門にしている私ならずともあらゆる写真家にとって重要な作品的要素ではないだろうか?私は街の中ではいつも映り込みや反射を求め、それらをいかに構図に盛り込むことができるかを意識している。映り込みや反射はありふれた被写体に面白みをあたえ、撮り尽くされた有名ランドマークに新たな視点を与えることができる。是非とも被写体の周りを良く観察して人とは一味違った写真を撮ってみようではないか。

それでは映り込みが良くみられるのはどんなところだろうか?

1.窓(もしくはガラス)

街の中に窓はあちらこちらにある。ビルがあればそこには窓があるわけだ。良く磨かれた窓はまるで鏡のようだ。

Black Mirror by Yoshihiko Wada on 500px.com
[ BLACK MIRROR]
Fukoku-seimei building, Osaka, Japan
Nikon D800E, AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
16stops(10stops+6stops) 300seconds exposure.
165mm Firecrest ND for with Lucroit 165mm system for ultra-wide lenses

複数の窓により、通りの向こう側にあるビルが抽象的なパターンを作っていて面白い。富国生命ビルは建物それ自体も特徴的だが窓の映り込みによってその特徴的な構造が一段と引き立ってみえる。

Black Glass by Yoshihiko Wada on 500px.com
[BLACK GLASS]
Fukoku-seimei building, Osaka, Japan
D7000,AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED
Firecrest 16 Filter (77mm), 200 seconds exposure
デザイン性が高く多くの窓ガラスを使用しているビルディングは撮影者の想像力を刺激する。三脚を立てるまえに最適な構図になるよう良く観察しよう。

シンメトリー:

完璧なシンメトリーになる場所を探そう。窓ガラス付近でシンメトリー構図を捉えるコツは窓にできるだけ近づくことだ。「この反射いいな!」と思ったら、そこからさらに一歩窓の方に近づいてみることだ。

Twilight Mirror by Yoshihiko Wada on 500px.com
Twilight Mirror,D600,AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR,No Filter

From the Observation floor, Umeda Sky building , 梅田スカイビル展望デッキからの夕景。レンズをガラスにピッタリとつけての手持ち撮影。

ATTACK ON HARUCAS by Yoshihiko Wada on 500px.com
ATTACK ON HARUCAS

良く見ると左のビルの三基あるエレベーターの窓ガラスに向かいのビル(近鉄ハルカス)が映りこんでいる。

この映り込みがあるのとないのでは、作品の印象はがらっと変わるだろう。

 

S.O.D sense of dimension:Ⅰ by Yoshihiko Wada on 500px.com
S.O.D. SENSE OF DIMENSION Ⅰ

東京国際フォーラム。ここの映り込みはあまりにも有名。ピカピカに磨き上げられたガラスによって、写真を天地逆にしても成立してしまう所がすごい。

S.O.D sense of dimension:Ⅲ by Yoshihiko Wada on 500px.com
S.O.D. SENSE OF DIMENSION Ⅲ

上とほぼ同じ場所だが左右のボリュームが同じぐらいになるよう構図を調整。実際撮影時は縦構図だったが、撮影後、横構図にしたら宇宙船内部みたいで面白かったので、こちらを採用。

 

2.壁

ある種の壁はガラスと同じように光を反射する。壁の持つ独特な風合いがガラスとはまた違った面白い反射をするのが興味深い。

TRANSCENDENCE by Yoshihiko Wada on 500px.com
[Transcendence]Nikon D600
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
Firecrest 16 Filters, 300seconds exposure.
サンフランシスコの有名なランドマークのトランスアメリカピラミッド。あまりにも個性的なその姿をただ撮影してもつまらない。左のビルの映り込みは一部分だけだが、写真に立体的な深みを与えている。

 

Distorted Reality by Yoshihiko Wada on 500px.com
[Distorted Reality]Nikon D800E, AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED,
16stops(10stops+6stops) 300seconds exposure,
165mm Firecrest ND for with Lucroit 165mm system for ultra-wide lenses
一瞬ガラスのように見えるが実はこれは壁への映り込み。うっすらと見える独特な壁の素材感が面白い。

3. 水(面)

水面への映り込みは美しく私のお気に入りだ。湖、川、海、そして水たまりなどが代表的なものだろう。
長時間露光で水面のさざ波を完全にフラットにして映り込みを強調、美しくすることができる。

Between The Eternity by Yoshihiko Wada on 500px.com
[Between the Eternity]Nikon D800E
PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED
Firecrest 16 Filters, 180seconds exposure.

3分の日中の長時間露光で水面を完全なフラットにし、雲の動きを出すことで静と動の対比を生む。 

 

Alone in the Darkness by Yoshihiko Wada on 500px.com
[Alone in the Darkness]神戸・会下山トンネル, Egeyama-tunnel, Koube, Japan

すでに本来の役目を終えてひっそりとたたずむ神戸にある地下水路、会下山トンネル。定期的に音楽ライブ、また年に一回は一般公開されている。

 日本庭園:

伝統的な日本庭園は緻密にデザインされており、弁天堂の池への映り込みは偶然の産物ではない。
これは一昨年の京都醍醐寺のライトアップの際の撮影。実はこれ、PC-E 24mm レンズのシフト機能を利用して、上下二枚を別々に撮影。その後PCでパノラマ合成している。

R-EDEN_.45jpg
[R-EDEN]京都,醍醐寺

昼と夜

ジャンクションの聖地“箱崎”
そこで和田氏を待ち受けていたものとは・・・。

NDアワード2015:建築:その他部門:ノンプロカテゴリーにて
銀賞(2位)受賞しました。ちなみに1位は尊敬するこのジャンルの日本を代表するパイオニア“Dr.高上”ことAkira Takaue氏。今年最後のアワードで良い結果が出せました。

NDアワードは私にとって相性が良く、昨年もHonorble Mention(佳作)に二点選出させていただきました。 来年は・・、まあ賞は水物、あまり欲張ってはいけませんね。

●ジャンクション写真は夜景だけ?

ところでジャンクション写真といえば夜景が定番ですね。無機質なコンクリートが光と共演する夜こそ、まさにジャンクション写真の神髄といえるでしょう。

Into the Wind by Yoshihiko Wada on 500px.com
Into the Wind by Yoshihiko Wada on 500px.com

ある夜、阿波座ジャンクション(上:大阪の人気JCT)で夜景を撮っているとき、ふと思いました。 「そういえば、日中の長時間露光ってここでやったことないな~」

複雑に絡みあう高速道路、圧倒的なコンクリートの塊、これこそ計算された構造物、建築物に違いありません。

●既成概念からの脱出

これまでジャンクション夜景写真は、それほどたくさん見てきたし、私自身もたくさん撮ってきました。ジャンクション=夜景。 それは定番であり鉄板であります。

 そんな場所で“日中の長時間露光写真”に挑戦するというのは、あまり前例を見た事がない分、考えるとちょっとワクワクしますね。

● キング 箱崎!
HAKOZAKI_NIGHT
夜の支配者:箱崎ジャンクション,日本橋, 東京

ジャンクションマニアの間では、東の“箱崎”、西の“阿波座”と歌われる二大JCTがあります。特に箱崎は“聖地”とよばれるほどの人気のあるJCTです。

阿波座は私にとってもうお馴染みですが、箱崎はまだ訪れたことがありません。このたび思い切って聖地巡礼を決行しました。

●自分流でいこう!

超有名、人気の箱崎JCT。もう撮りつくされた感もあります。“箱崎JCT”でググれば、もうそそれはおびただしい数の写真が出てきますね。

しかしながらそれらの多くは夜景写真、ちらほらとパノラマ、HDRも人気ですね。

ただ日中の長時間露光、特にモノクロのファインアートスタイルは見かけたことがありません。

「むむむ、これは私のスタイルでやったらどんな写真になるんだろう?」 まだ見ぬイメージに夢が膨らみます。

● テストショットは忘れずに!

WEBでたくさんの箱崎JCT写真を見て、構図のイメージは大体決めてありましたが、そこはやはり自らの目で現地を観察することから始めます。JCT自体はそれほど広くないので一時間ほど、周りを観察して「良いな!」と思った場所を撮っていきます。

下の写真はそのときのもの。すべて手持ちモノクロ変換ソフトSilver efex pro でラフに現像したものです。ちなみに“右下の場所”は夜に来て明比較による長時間露光写真を撮りました。

一口にジャンクションといっても、その構成要素は複雑です。非常用階段があったり、パイプ、配線、ボルト、ランプ、それらに朽ちたコンクリートが複雑に絡み合い、なんとも言えない魅力を醸し出しています。

とまあ、いろいろとテスト撮りをしたものの、今回は箱崎JCTといえばこれ!という構図で攻めてみます。 定番ですが、それだけに箱崎を象徴しているといえる構図といえます。

DSCN0324
D600, 14-24mm with FORMATT HITECH filters attachment with a Lucroit filter adapter for Nikon 14-24

● 最後に残された場所は?

ある日写真仲間がこう言いました。

「もう面白い撮影場所なんかないですよね~。どこもかしこも皆に撮りつくされたあげくWEBに投稿されてしまってるんですから。」

彼の言い分はある意味その通りなんですが、世の中にはまだ残された場所があります。それもとても近くに。

それは「私達自身」です。

自分自身を深く見つめ、自らの求めているイメージを具現化すること。それは他の誰も真似できない、写すことのできないイメージです。 それが出来ればたとえ外の世界の場所が皆に撮りつくされてしまったとしても、私達自身の写真、作品が創れるはずです。

たとえば多くの人にとってはジャンクションは巨大なコンクリートの塊、高速道路の出口でしかないでしょう。ましてはそこで車の排ガス、粉塵にまみれて半日過ごすなど考えられないでしょう。

しかし、私にとってのジャンクションは緻密に計算されデザインされた、世界で一番ユニークで魅力的な建造物なのです。そしてこれが今回の完成した私の「HAKOZAKI」です。

wada-yoshihiko_highway-king
HIGHWAY KING by Yoshihiko Wada

 

 

 

 

 

 

 

 

夜明けの長時間露光

オークランドベイブリッジ撮影記

Breaking Dawn by Yoshihiko Wada on 500px

Photograph Breaking Dawn by Yoshihiko Wada on 500px
D7000, DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED, 120sec. f8, ios100,11mm with hoya 10 stops

仕事で2年連続サンフランシスコに行く機会があった。サンフランシスコといえばあの真っ赤なゴールデンゲートブリッジ。私も前回はマーシャルビーチからその美しい姿をカメラに収めることができた。

Shallow Night by Yoshihiko Wada on 500px

Photograph Shallow Night by Yoshihiko Wada on 500px
Shooting at Marshall beach, D600,16-35

しかし、私のお気に入りは別の橋。その名もオークランド・ベイ・ブリッジ。 先日、ようやく二回目に訪れた時に撮影した長時間露光バージョンが完成した。それを記念して今回は一回目に訪れた時の撮影記を当時を思い出しながら書いてみようと思う。

この橋、実は歴史は意外に古く1936年に開通している。ゴールデンGの方が、1937年開通なので一年先輩。けれどこの橋、1989年の地震で一部崩れてしまったので新しく架け替えられた。その完成が2013年、今私が見ることのできるのは見た目も新たに近代的でシャープに生まれ変わった新しいベイブリッジなのだ。

そのベイブリッジ、サンフランシスコ側の方にはダウンタウンから歩いて行けるので、朝日と絡めて撮るには観光客にも狙いやすい橋だと思う。港も風もあまりなく穏やかで朝の散歩がてら撮影なんてのもいいだろう。実際早朝にも関わらず観光客も結構いる。ちなみこの周辺は治安も良いのであまり不安になる必要はない。

ちなみにサンフランシスコとオークランドの間に位置するトレジャーアイランドから見るこの橋も絶景! 以前ブログ(英語版)で紹介したのでそちらも参照されたし。

○夜明けの長時間露光

初めてこの橋を撮りに行ったときは、土地勘もないのでやたら早くに到着してしまった。まだ電燈点灯していてとても綺麗だった。

Illuminated Oakland bay bridge at night
It was still dark and the bridge was illuminated with the lights.

ベストな構図を探して、橋の周りをうろちょろ。それほど高くはないがコンクリートの柵があるのであまり低い三脚だと困ると思う。長秒を考えるとセンターポールもあまり高くはしたくなところだ。 そしてこれが最初の一枚。

123 sec .at f/10, iso 100, 11mm with 9 stops ND filter
123 sec .at f/10, iso 100, 11mm with 9 stops ND filter

123秒、ちょっとアンダーすぎた感じ。シャドーがつぶれていて、ハイライトにはまだ余裕がある。あと60秒ぐらい露光しても良かった。

histgrama_test1
the shadow area was too dark and it had more room for the highlight.

F10からF8にして再度トライ。日の出は刻々と近づいてきており水平線も直前の撮影より明るくなってきている。そしてこれが二回目。

raw_bdawn
120 sec .at f/8, iso 100, 11mm with 10 stops

うん、なかなか良い感じ。ハイライトも伸びていてヒストグラムも良い感じだ。

histgrama_bdawn_raw
Still the shadow looked dark but the highlight got improved.

カラーバージョン。Lightroomでシャドーを持ち上げた。WBは蛍光灯。

BreakingDawn_color

夜明け前の長時間露出は、常に光量が変化するので、若干注意が必要だ。つねに明るさを増してくるので、露光開始に測った最適の時間から、若干減らす方向(20~40秒)ぐらいした方が良いだろう。もちろん、雲が多かったりするとその時間も変化するので都度変更できるよう、あらかじめ時間をセットするよりはバルブで露光長さを変更できるにする方が良いだろう。そして完全に日が昇ってしまうと、長時間露出は難しくなってくる。私も橋の部分で太陽を隠したりといろいろ試したが、上手くいかなかった。どうしても太陽の部分が白とびしてしまう。

baybridge_HDR1
Lightroom6 で追加されたHDRマージで、その当時撮影していたAEブラケット写(-2,0,+2)をマージしてみた。割とあっさり目のHDR写真ができるので、Photomatix ProHDRefexpro等のハイコントラストなHDRに慣れていると少し物足りないかもしれない。

“何事も遅すぎることはない” というのは夜明けの撮影には通用しない。

とくに長時間露光を試みるのなら、太陽が上がる前に開始して、上る直前で止めるぐらいがちょうどよい。(これは日中の長時間露光とは違う話。あくまでも日の出前長時間露光のこと)

万全の準備をして日の出を迎えたい。そして一端シャッターを押したら、あとは波の音に耳を傾け目の前にひろがる情景に身を浸すだけだ。

お気に入りの撮影場所(近所推奨) を見つける

Autumn Valley filled with Autumn leaves
Autumn Treasure : D800E, NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

家の近所にある箕面渓谷。紅葉と立派な大滝は大阪の紅葉の名所・観光地として有名だ。

家から原付で10分もかからずにいけるこの場所、写真を撮影始めた頃頻繁に通い詰めたものだ。

Photograph reminds of the autumn by Yoshihiko Wada on 500px
Reminds of the Autumn: D800E, NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

先日過去写真の整理をしていたついでに、これまで何回ぐらい箕面渓谷に撮影に行ったのか数えてみた。

(春・夏・秋・冬)の写真

2011年 10回 (6月撮影活動開始)

2012年(14回) (10月にフルサイズ購入)

2013年(20回)

2014年 (6回)

2015 (0回)

50回! 4年間でよくもこれだけ同じ場所に撮影しに行ったもんだと、半ばあきれてしまった。しかし私は写真を初めてから基本的な撮影技術はすべてこの場所で身につけることができた。いうならば私の修行場だ。

特にフルサイズ購入後は画角になれるため、新しいレンズのテスト等、いろいろ理由をつけては通った覚えがある。

Photograph Spring is beginning by Yoshihiko Wada on 500px
Spring is beginning : D800E, NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRII

撮影旅行でまだ見ぬ地へ訪れることはこの上のない喜びだが、私のような多くの週末カメラマンにとっては毎回違う撮影地へ足を運ぶのは時間的、金銭的にもかなりきつい。

それに比べ、ご近所になじみの撮影地があれば気軽に撮影に行くことができる。

そこで皆さんにも是非ともご近所にお気に入りの撮影場所を見つけて欲しい。特に写真を始めたばかりの方は、そういうお気に入りの撮影場所があれば撮影技術も短期間で飛躍的に伸びていくだろう。

メリット:

1.時間の節約

撮影場所に近いということは、それだけ撮影自体に時間をかけることができる。撮れば撮るほど上達する!

2.経験と実験

春夏秋冬、晴曇雨、早朝、夕方、夜: 様々な時間の撮影を経験できるし、いろいろと試すことができる。構図もいろいろ試そう!

3.テスト撮影

通いなれている場所というのは、新しいカメラ、機材、三脚、レンズのテストにはうってつけだ。

新しくレンズを買ったら描写テストをしよう。馴染みの場所だけに、これまでにレンズとの差も分かりやすいからだ。買ったばかりの機材、レンズをいきなり重要な撮影に使うのはやめよう。もしかしたら機材自体が

初期不良を抱えているかもしれない。機材に慣れることは重要だ。

4.研究

HDR、パノラマ、新しい撮影方法を試すにはうってつけの場所だ。

5.節約

新しいレンズを買ってお金がない・・。遠くへいかなくても近所のお気に入りの撮影場所にでかけよう!

Photograph East of Eden by Yoshihiko Wada on 500px
East of Eden : D90, SGIMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM

デメリット

・やはり飽きてくる。

・新鮮味にかける。

・同じような構図を撮りがちになる。

こうなってくると、やはり新たな撮影場所に行くべきだ。もうすでに撮影技術は身に着けた。あとはできるだけいろいろな場所に出かけて美しい写真を撮ることができるはずだ。

同じ場所に撮影に行くことをためらう必要はない。

その場所で、同じことを繰り返さなければ良いだけなのだから。

Photograph Autumn Dream by Yoshihiko Wada on 500px
Autumn Dream : D800E, NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II